「虹色ほたる」~永遠の夏休み~
夏になると必ず観たくなる一本をご紹介♪
1977年の田舎の夏休みが舞台のこの映画をCMで見かけて、映画館まで観に行った。
初見で感動し、DVDを購入してからは毎年夏になると一人でしみじみ鑑賞している。
これこそ地上波で放送して然るべき作品なのに・・・と思いながらも、
夏の夜長、一人鑑賞に酔いしれるのもまた良い♪
※以下、ネタバレを含みますのでご了承下さい。
話の内容は父親を事故で亡くした少年「ユウタ」が、夏休みを利用して父との
思い出の地を訪れる。
そんな山奥の中で不思議な老人に出逢う。
喉が渇いて仕方ない老人は、ユウタから水を分けてもらい感謝する。
道を歩いていると、突然の豪雨に見舞われ濁流に流されてしまう。
夢か現か分からぬままのユウタは、死の淵でその老人に命を救われた。
そして目が覚めた時には何もない原っぱにいて、そこには見知らぬ少女
「さえ子」が居た。
そこは、ダムの底に沈む前の村の1977年最後の夏だった。
現代に生きる少年がアナログな昭和にタイムリープすれば、当然のようにその世界の
不便さに愚痴が止まらず「早く現代に返してよ!」と、お爺さんに訴えるが
準備期間が必要だと言ってはしれっと消えていく。
仕方なく少年はそこで出会った少女「さえ子」の家(おばあちゃん家)に従妹として
住む事になる。
そして、そこで出会うのが「ケンゾー」
「ランニングに短パン」というスタイルが私世代には刺さる刺さる^^
何だかんだ文句を言いながらもこの2人に引っ張られ、いつしか田舎の夏に
溶け込んで行く。
これといった派手な出来事がある訳でもなく、ただただ夏を満喫する3人の姿と
そこに関わる大人達など、子供の頃田舎に遊びに行って同じように畑を走り回っていた
懐かしい記憶が甦り、それだけで泣けてくる。
キャラクター設定や背景など独特な映像で魅せてくる中、この映画の肝でもある
「ほたる」のシーンは圧巻。
実際の映像には敵わないまでも、ほたるの群生に囲まれたかのような幻想的なシーン
には眩暈すら感じた。
そして後半に至るにつれて明らかになるのが「さえ子」の存在。
実は彼女も「現代からタイムリープしてきた」と、ユウタと同じ境遇だと分かる。
更にその後、衝撃の事実も明らかになってユウタは激しく悩む。
それでも1977年の夏休みは過ぎていき、今年が最後の夏という村で
それぞれの別れが訪れる。
ユウタも現代に戻る日を迎え、ケンゾーとの別れの時。
夏祭り準備の時にユウタが描いた「バイクの絵」を気に入ったケンゾーが、
「俺も東京行ってこんなバイクに乗る!」
と、ユウタに宣言した時の笑顔に感無量。
夏休みが終わり、最後の夏が終わり、この村はこの後ダムに沈む。
現代に戻ったユウタに、この2週間の記憶は全くない。
これ以降は本作を観て欲しい。
この三人が現代でどのようにして出会うのか?
想像を裏切らないとはいえ、それでもうるっ💧ときてしまうのだわ♪
隠れた名作を多くの人に観て欲しい・・・そんな思いでレビューしてみました。