奇跡のリンゴ

全ての日本人に読んでもらいたい本を紹介したい。

「奇跡のリンゴ」

 

 

この本は「木村秋則さん」という、青森でリンゴの栽培を行っている人を取材された
石川拓治氏によって記録されたものである。

 

私たちは毎日農家の皆さんが作ってくれた米や野菜を食べて生きている。
それが沢山の生き物たちによって作られている事を教えてくれる一冊である。

 

まず私がこれまで食べてきた「リンゴ」は全て、農薬と肥料によって作られたモノ
であるという事。
そして、この木村氏が30年という長い歳月を経て「無農薬・無肥料」のリンゴ栽培に
成功するまでの長い長い苦労と努力を重ねて得た「経験」と「発見」。

 

私はこの本を読んだ事で自分の足元を改めて見つめ直した。

 

結論から言ってしまえば、

 

「リンゴの木はリンゴの木だけで生きている訳ではなく、周りの自然の中で
 生かされている」

「そして人間もまた同じ生き物として生かされているのに、それを忘れてしまい、
 自分独りで生きていると思ってしまっている」

 

これは無農薬リンゴの栽培に成功した木村氏の言葉である。

 

この言葉の意味がどれほど深く重く、そして「生命の原点」であると理解出来る人は
どのくらいいるのだろう。

 

自然界の生き物全てが実は「自分の力」で生きられる事。
但し、そこには他の生物との「共生関係」は必要不可欠なのだ。
これは人間も同じ事で、誰もが周りの人々に支えられながら成長していく。

 

「自然の摂理」とは昔から変わることなく、食物連鎖の中で生き生かされている。

 

木村氏は「リンゴは農薬無しでは育てられない」という常識を覆した。
そこに至るまでの苦労は想像するだけで頭が下がるばかりだった。

 

リンゴの木が健康に育つ為の土壌を調べ尽くし、様々な菌や昆虫たちの存在が
「リンゴの木」を育てる事を知る。
雑草も刈らず、放置した畑の中で自らの力で成長していった「リンゴの木」

 

「野生の中で育ったリンゴの木」と「温室の中で育ったリンゴの木」では、
まず生命力が違う。
農薬と肥料に守られたリンゴの木は脆弱に育つ。

 

「人が手を掛けない方がよく育つ」
「私はリンゴのお手伝いをしただけだ」

と木村氏は言う。

 

私はこの本を読みながらふと気が付いた。


「人間も手を掛けない方がいいのではないか?」

 

かつてパンデミックを経験した私たちは「やれマスクだ!消毒だ!ワクチンだ!」と
外部からの力に頼っていなかっただろうか。
本来であれば、私たちの身体の中には沢山の「常在菌」たちが居て、何かあればそれに
対抗する力を持っている。

 

それなのに、何でもかんでも「薬」や「病院」に頼ってしまうのは何故だろう?
「殺菌」や「除菌」という潔癖な環境が、反って人間の免疫力を低下させている・・・
と思っている人はどれくらい居るのだろう。

 

私たちは地球に生まれた「生命の一部」だ。
同じ環境下で育つ植物も生物も動物も、何一つとして無駄な生き物はいない。
目に見えない「菌」にも存在理由があって何かの役に立っている。
多種多様な虫たちにも存在する意味がある。
そこに気付けば、私たちにとって本当に大切なのモノは何かが分かるはずだ。

 

その答えに私はもう気付いている。
でも多くの人達がまだ気づいていない。
一人でも多くの人がこの本を手に取って、何かに気付いてくれる事を私はひたすら願う。

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